第24回サマーコンサート

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日程:2012年8月12日(日)

会場:習志野文化ホール

指揮:金子 建志

演目:

  • フランク 交響曲ニ短調
  • プーランク 「牝鹿」
  • R・シュトラウス 「ドン・ファン」

プログラム紹介

リヒャルト・シュトラウス 《ドン・ファン》

ドイツ・ロマン派最後の輝き、リヒャルト・シュトラウス。その出世作となったのが、ヨーロッパに伝わる放蕩男の伝説を音楽で描いた《ドン・ファン》である。冒頭から音楽がエネルギッシュな奔流となって満ち溢れる。リヒャルト・シュトラウスはオーケストラの各楽器の機能を熟知し、そしてそれを最大限に活用した作曲家だった。そのため、リヒャルト・シュトラウスの作品はどれも技巧的に非常な難曲となった。もちろん、この《ドン・ファン》も例外では無い。作曲家が要求した高いハードルを超えたその先に、リヒャルト・シュトラウスが描こうとした音の世界がある。何ものにもとらわれず自由に振る舞うドン・ファンのその姿を、私たちは垣間見ることが出来るだろうか。

フランシス・プーランク 《牝鹿》

1920年代のフランス。悲惨な第一次世界大戦は終わり、新しい時代が訪れていた。ジャズと喧騒に溢れる花の都、パリ。そこにまた、新しい才能が現れた。フランシス・プーランク。極めて裕福な家庭に生まれたプーランクの音楽は、明るくて軽妙洒脱で、でもちょっとどこか意地悪。《牝鹿》は、もともとはディアギレフ率いるバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の舞台のために作曲した音楽。今回採り上げるのは、プーランク自身がそこから6曲を選んで、演奏会用に編み直したもの。透明感に溢れ、軽く華やかで、時々怖い顔をして凄んでみせたかと思うと、またすぐに軽やかな表情に舞い戻る。それはまるで、プーランクその人のよう?

セザール・フランク 《交響曲ニ短調》

交響曲というジャンルは、フランス音楽ではドイツ音楽ほど重要な位置を占めるには至らなかった。そんな中で、フランクの《交響曲ニ短調》は、ベルリオーズの《幻想交響曲》と並び、フランス音楽における最も有名な交響曲として知られる作品である。三楽章形式のこの交響曲は、ロマンチックで美しい旋律を持つと同時に、深い瞑想性をも併せ持つ。相反するようなこの二つの顔を一つの音楽の中でどう表現するか。多様な顔を持つ《交響曲ニ短調》は、どこに焦点を絞るかで演奏の性格も変わるし、また演奏の成否をも左右する。その難しさは確かに目立つわけでは無いが、しかし決して簡単な曲では無い。この隠れた難曲に金子建志と千葉フィルがどのようなアプローチで臨むのか。興味は尽きない。

タグ: リヒャルト・シュトラウス

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