日程:2016年7月24日(日) 13:00開演(12:15開場) |
創立30年を迎える千葉フィル。「千葉市民による第九特別演奏会」に協力し、ベートーヴェンの交響曲第9番を演奏した千葉フィルの次のコンサートは、またもや合唱付き。記念碑的なマーラーの交響曲第2番《復活》である。しかも、演奏会場は都内に進出、すみだトリフォニーホールだ。
当然、指揮は金子建志。マーラーについての著作もあり、マーラーに対しては特別強い思い入れと拘りを持つ金子のマーラーは定評がある。千葉フィルのこの前の夏の演奏を覚えている方も少なくないのではなかろうか。2015年8月、金子・千葉フィルはマーラーの交響曲第6番《悲劇的》を演奏したが、冷徹なスコアの読みとマーラーの音楽への熱き共感が同居した金子の指揮と、その指揮に壮絶に食らい付く千葉フィルの演奏は、「最後の破滅感は空恐ろしくなるほど」(『音楽現代』2015年11月号)と、聴衆に強い印象を与えた。そのマーラーが、帰ってくる。
《復活》は合唱を用いたことからも分かるように、《第9》の後継者といってよい交響曲である。クライマックスでホールを満たす人の声。ベートーヴェンとマーラーに共通して流れるのは、人間という存在に対しての大いなる愛。そして、そういう理念的な面だけでなくオーケストラの機能を最大限生かすという点においても、《復活》は《第9》を引き継いでいる。大規模なオーケストラに、合唱、独唱。そしてマーラーは舞台の外でも楽器を演奏させるなどの工夫を凝らしている。それは《第9》から約70年たった後の進歩の証であり、そしてマーラーの拘りでもあるのだが、すみだトリフォニーホールであれば、それは余すところなく再現されるであろう。マーラーと金子の拘りが、すみだトリフォニーの空間においてどのような相乗効果を聴かせるのか。今から楽しみでならない。
そう、《第9》の次は《復活》だ!今度の夏も、また暑くなりそうである。