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ブラームス - 千葉フィルハーモニー管弦楽団

ブラームス (1833~1897) 交響曲第3番 ヘ長調 作品90

「異端の交響曲」

brahms-thumb-120x140ブラームスは生涯に4曲の交響曲を完成させた。その4曲の交響曲は、ブラームスの同時代から現在に至るまでオーケストラの主要レパートリーとして定着しているが、その中で3番目の交響曲は他の3曲と比べると、演奏頻度が若干低くなる傾向がある。(例えば、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ニューヨーク・フィル、それぞれある時期の100年近くの間の統計を見ると、4曲の中でいずれも3番が最も演奏回数か少ない。)終楽章はもちろんのこと、全ての楽章が弱音で瞑想的に終わる。演奏時間も他の3曲に比べても短めで、コンサートの最後を熱狂的に締めくくろうとする場合にはいささか不都合だと感じられるからであろう。

ブラームス (1833~1897) 交響曲第4番 ホ短調 作品98

「進歩主義者ブラームス」

brahms 120pxブラームスの音楽は、ブラームスの存命当時から今に至るまで、概ね保守的な音楽だと思われている。特に後世の作曲家は、「新しいこと」が作品の大きな判断基準になることが多い現状も相まって、ブラームスのことをよく言う人はあまりいない印象がある。その数少ない例外が、アーノルト・シェーンベルクである。12音音楽の創始者であるシェーンベルクは20世紀音楽の祖と言える人の一人だが、そのシェーンベルクはブラームスのことを「進歩主義者」として賞賛しているのだ。

ブラームス ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 シェーンベルク編曲版

dbp-brahms〈未完成〉との間を繋ぐ鍵としての『ハンガリー・ジプシーの音楽』

1828年に31歳で早世したシューベルトと、5年後の1833年に生れたブラームス。その接点が、1880年代にブライトコプフ社が刊行したシューベルト全集で、ブラームスが交響曲の巻の編纂を担当したことにあるのは拙著『交響曲の名曲・1』で述べたとおりだ。しかし1822年前後に作曲されたまま眠り続け1865年に初演された〈未完成〉と、それより前の1861年に完成・初演されたブラームスの〈ピアノ四重奏曲・第1番〉との関係をひもとくのは一筋縄ではいかない。鍵は『ハンガリー・ジプシーの音楽』にある。

ブラームス 交響曲第4番の楽曲解説

Ⅰ楽章─ホ短調 2/2 ソナタ形式

流れるように滑らかな第1主題 ①a が、3度音程の音列 ①b をオクターヴ上下させることで作られているのは良く知られており、ブラームスが理論派の大家だったことの象徴とされる。

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ブラームスの「交響曲第5番」?

schoenberg 1948ナチス政権の成立によってドイツを追われることとなったシェーンベルクは、パリを経てアメリカに亡命する。その地でシェーンベルクはオーケストラ作品への編曲を幾つか手がけるが、その一曲にブラームスが若かりし頃に書いたピアノ四重奏曲もあった。シェーンベルクは出来上がったこの編曲に大変満足し、聴衆からも高い評価も獲得する。中には「ブラームスの交響曲第5番」というものまであった。しかし、実際のこの曲はブラームスが決して自らの交響曲に使わなかった楽器や特殊奏法のオンパレードであり、そして何より、ジプシー音楽的な情熱をそのまま表現した音楽それ自体、ブラームスが決して交響曲の題材に選ばなかったものである。そのことを考えると、この編曲をブラームスの交響曲第5番と呼ぶことは、やはりあまり適当なこととは言えない。しかし、一つ視点を変えてみると、また違った様相が見えてくる時がある。

第16回サマーコンサート

日程:2004年8月

会場:習志野文化ホール
指揮:金子建志
曲目:

  • チャイコフスキー 幻想序曲「ロミオとジュリエット」
  • ラヴェル 「ダフニスとクロエ」第二組曲
  • ブラームス 交響曲第一番 ハ短調

第19回サマーコンサート

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日程:2007年8月

会場:習志野文化ホール
指揮:金子建志
曲目:

  • ブリテン 歌劇「ピーター・グライムズ」より《4つの海の間奏曲》
  • マーラー 交響詩「葬礼」(交響曲第二番「復活」第一楽章の初期稿)
  • ブラームス 交響曲第三番

第19回演奏会

日程:2004年1月
会場:習志野文化ホール
指揮:金子建志
曲目:

  • ブラームス 悲劇的序曲
  • コダーイ ハーリ=ヤーノシュ組曲
  • ムソルグスキー / ラベル編曲 組曲「展覧会の絵」

第32回演奏会

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日程:2018年1月13日(土) 14時開演(13:15開場)
会場:習志野文化ホール
指揮:金子 建志
演目:

  • ラフマニノフ/交響曲 第1番
  • ブラームス/交響曲 第4番

前売券販売所:

  • 習志野文化ホール(TEL 047-479-1212)
  • 伊藤楽器 北習志野(TEL 047-465-0111)

終わりと始まり - 二つの交響曲 -

今回の千葉フィルはラフマニノフの交響曲第1番とブラームスの交響曲第4番という、重量級の交響曲二つとなる。

ラフマニノフの交響曲第1番は若きラフマニノフの野心作。その勢い溢れる冒頭は決意に満ちたラフマニノフの雄叫びか。だが初演は失敗、ラフマニノフは神経衰弱に陥り交響曲第1番はそのままお蔵入りになってラフマニノフの生前には二度と演奏されることが無かった。しかしこの後、ラフマニノフは奇跡の復活を遂げ、ピアノ協奏曲第2番や交響曲第2番という傑作を生み出し第一級の作曲家として認められる存在となる。青年期の終わりと、本格的な作曲家としての始まり。

そして19世紀ドイツ音楽の巨人、ブラームス。その最後の交響曲である交響曲第4番は老年期を迎えつつあったブラームスの心象風景が滲み出ているようでもある。それはまた、ロマン派という一つの時代の黄昏でもあった。しかし、その作曲技法は精緻を極め、来るべき次の時代への架け橋ともなる。無調・12音音楽を開拓し20世紀を代表する作曲家の一人であるシェーンベルクはブラームスのことを「革新主義者ブラームス」と呼んだ。人生の終わり、ロマン派という一つの時代の終わり、そして、新しい時代の始まり。

何かが終わる時、また新しい何かが始まる。そういったメルクマールとなる二つの交響曲を、金子建志と千葉フィルのコンビネーションでお送りする。新しい年の門出に相応しい演奏会となるであろう。