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第2楽章《埋葬》
オペラの終幕=第7場で奏される間奏曲。絵は磔にされたキリストが中央に、息を引きとって横たわる姿と、埋葬する人々が、下段に描かれている。
弦による⑤が、死を重厚に描く。フルートが静謐な祈りに引き戻した後、オーボエ⑥が新たな嘆きを導き、金管の加わった⑤のトゥッティが重厚な頂点を築いた後、祈るように結ばれる。
第3楽章《聖アントニウスの試練》
絵は、化け物や怪物が支配する地獄絵図。オペラの第6場から作られたドラマティックなフィナーレで、五つの部分からなりたっている。
導入部は弦を中心としたレチタティーヴォ⑦が苦悩を表し、それを打楽器群が処刑のように断ち切る。3拍子系(三位一体)の9/8拍子によるアレグロ主部は、⑧が付点的なリズム・オスティナートで盛り上がるが、その頂点は3回断ち切られ、⑨+⑩が、新たな闘争を導く。この闘いを⑪が遮り、第2楽章を再現したような弦による長大なモノローグ⑫に入る。苦悩と祈りが交替するこの中間部は、この交響曲全体の最深部。内心の吐露であり、時代の暗部を象徴している。
アレグロに戻った音楽は、軽やかなステップから次第に重奏的に盛り上がってゆくが、再び⑪が切断。再スタート後はスケルツォ的な軽さの中、金管の3連符が宗教的な救済を暗示。弦の⑬が、1小節1つ振りの快速フガートを先導し、管が第1楽章の③を変容させた⑭で再現した後、木管がコラール「シオンの救世主を誉めたたえよ」⑮を繰り返し、二拍3連の壮大な「ハレルヤ」で壮麗に結ばれる。
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