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第4楽章 変ニ長調(→嬰ハ長調) 2/4拍子
対照的な2人の芸人 ⑨(弦)⑩(木管)が茶化し合う。この「掛け合い漫才」が、コミカルなロンド主題 ⑪ を導く。バレエやパントマイムに近い“乗り”はプロコフィエフの独壇場。副主題的な ⑫ も陽気。機械運動を思わせる ⑬ は、プロコフィエフが若い頃から得意にしていた楽想の典型だ。新たな主張をする ⑭ は、第1楽章の ③ の変形と見做せよう。
テンポを弛めた中間部は、これ見よがしに行進するような ⑮ と、より愛嬌を振りまくような ⑯ が新たな狂言廻し。こうして“歌舞伎者”達が見得を切った後、テンポが戻って既出主題が順不動に再現される。コーダは第1楽章の第2主題 ② が再現され、コミカルなギャグの応酬をロシアの大地に引き戻す。
プロコフィエフは、この後(指揮者に委ねる形で)再びパントマイム的な舞曲に戻るエンディングも残しているが、今回は夕陽が沈んでゆくような緩やかなコーダを選んだ。