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混乱の鎮静と、全員の踊り
25. 黒ビールによる鎮静の輪舞 ラッパを持った4人の伝奏官のファンファーレ㊳で、黒ビールの巨大なジョッキが到着。これによって暴動は静まり、曲は緩やかな3拍子㊴に急転。プラリネ姫がお菓子の親衛隊を連れて宮殿から姿を現す。姫は、マリアンヌ、スリヴォーヴィッツ、ヴトキーの3人をお供の中に加え、魔法使い達に王家の勲章を授与。群集には板チョコが投げ与えられる。
ここで再現される主題の中では、トロイメライ（コーヒー王子）の拡大型⑬bや、プラリネ姫の踊り㉕が重要。
黒ビールはバイエルンを代表するホフブロイのビール。当時は国営で、普通のビールも含めて、ドイツを代表するビールとして人気だった。ミュンヘン生れのR.シュトラウスは、子供の頃から、山のように積まれた樽に愛着を感じていたという。大火が起こった時、水が足りなくて樽のビールをかけて鎮火したという実話もあるそうだ。そうしたことが、この場面に繋がったようだが、後にヒトラーがミュンヘンを拠点にナチ党大会を開いて勢力を拡大していった史実と、予言的にリンクする。 |
26. フィナーレ～27. 遅めのワルツ 静かなリズムの反復㊵aで始まるフィナーレは、プラリネ姫の先導で熱狂的なタランテラ舞曲㊵bに拡大。ガラス造りの宮廷はケーキの山に変わり、曲は㉕でワルツに移行。トロイメライの拡大型⑬bが繰り返された後、マリアンヌ㉛bが3拍子を締め括り、急速なコーダに突入する。
舞台両側から堅信礼を受けた子供達が現れ、ケーキの山に驚いて見上げる。木管による2拍子系の「堅信礼」①に、舞台外の4人のトランペットが3小節周期の長音を並奏させる、ポリリズムの立体構造を経て、幕となる。
