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II. 大天使ミカエル
「そして天に大きな戦いが起こり、ミカエルとその使いが竜と闘う。竜の一派は破れ、その居場所は無くなった」
主部は2/2拍子。金管を中心とした激しい主題⑥が、黙示録的な「神と悪の戦い」を描写。短調の⑥に対し、コールアングレ他による⑦は長調でヒロイック。
中間部は8/4拍子のレントに転じ、舞台裏のトランペットが祈りのような⑧を奏するが。これは⑥を長調化したもの。2拍子の戦闘が戻った後、死を象徴するドラの一撃が悪の敗北を象徴して終わる。マーラーの〈復活〉の第5楽章にも通じる世界だ。
III. 聖クララの朝の祈り
「花婿キリストは、聖女クララを苦しみの中に置くことを望まず、奇跡を起こし、天使の手によって聖フランチェスコの教会へと送り届けた。朝の祈りをこなすことが出来るように。」
聖人の伝記に出てくる「聖フランチェスコの小さき花」という挿話による静謐な曲。
再び5/4拍子に回帰。第2ヴァイオリンが奏するオスティナートリズムの先導で、木管群が祈る⑨。主題を合奏で提示する場合、普通は最上声部が主旋律を担うものだが、ここでは第2・3番フルートとファゴットがメイン。1番フルートは6度音程で和音を埋めるので、レスピーギは［1番Fl・pp］［2・3番Fl・mf ］［1番Fg・mp］というバランスを指定。この後⑨が楽器を変えて再現される際も同様で、この楽章の特徴となっている。
ヴァイオリンによる副主題⑩にも⑨が重なるが、オスティナートリズムをチェレスタが奏する後半部から、教会の静謐さが支配的になり、舞台裏の鐘が「朝の祈り」を印象づける。
