ドヴォルザーク 交響曲第9番 〈新世界より〉 の楽曲解説

Ⅲ楽章 スケルツォ ホ短調 3/4 三部形式

この楽章、主部は短調だが、刺激的なリズムの掛け合いと、ティンパニのソリスティックな打撃が活気に満ちた高揚を導く。単純な用法だがトライアングルも効果的だ。木管による⑭もカノン。

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ホ長調に転じたトリオの第1主題⑮a→⑮bは農夫達が酔って気勢を上げているような野卑な力強さがあるが、これもⅡ楽章の⑩aと同様「5音音階+シ」の6音音階。より舞曲的な⑯(ハ長調)も同じ6音音階で、明らかに民族性が意識されている。

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ホルンが④aを繰り返して築いた頂点で、Ⅰ楽章の第3主題⑦aを登場させるのはユニークなアイデアだ。

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