第72回演奏会 - 2025年1月4日(土) 13:30開演 会場:ティアラこうとう 大ホール・指揮:金子 建志
演目:ドヴォルザーク/スケルツォ・カプリチオーソ、コダーイ/「孔雀は飛んだ」による変奏曲、ブラームス/交響曲第2番

第25回サマーコンサート

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日程:2013年8月11日(日)  13:30開演(12:45開場)
会場:習志野文化ホール
指揮:金子 建志
演目:

  • チャイコフスキー 「イタリア奇想曲」
  • レスピーギ 「地の精のバラード」
  • ラフマニノフ 交響曲第2番

プログラム紹介

2013年の夏の演奏会、千葉フィルがお送りするのはちょっとひねったロシアン・プログラム。チャイコフスキーにラフマニノフは、言うまでもなくロシア音楽の王道だ。しかしレスピーギは?レスピーギは《ローマの松》などで知られるイタリアの作曲家。しかし、レスピーギとロシア音楽の間には、実は深い繋がりがあった。それは...

チャイコフスキー 《イタリア奇想曲》

彼に想いを寄せる教え子と結婚したチャイコフスキーだったが、それは惨めな失敗に終わる。傷ついた心を癒すため、チャイコフスキーはイタリアに赴く。明るい太陽、開放的な人々、豊穣な伝統と文化、そして音楽。チャイコフスキーはそこで耳にしたイタリア民謡を用い、一曲の管弦楽曲を書き上げる。《イタリア奇想曲》だ。ロシアの冬は長い。ロシアの人々にとって、南国の輝く太陽は常に憧れの対象だった。華々しいファンファーレで幕を上げる《イタリア奇想曲》は、イタリアの歌と踊りに満ちている。それはロシアの人々の太陽溢れる南国への憧れ。ロシアからの憧憬。

レスピーギ 《地の精のバラード》

最近、吹奏楽で多く取り上げられる作品の原曲、オーケストラ版を演奏する。大編成のオーケストラを駆使して音楽を華やかに演出するレスピーギが、その手法を学んだのは、実はロシアの地に於いてであった。彼はリムスキー=コルサコフに師事し、オーケストラの効果的な使い方を学んでいる。《シェラザード》で知られるリムスキー=コルサコフは言うまでもなくロシアの重要な作曲家であり、チャイコフスキーやラフマニノフとも深い関わりを持っている。そんなロシア音楽のエッセンスを受け継いだレスピーギは、神話や伝説を題材に取って作曲することが多かった。《地の精のバラード》もそのひとつ。華やかで圧倒的な音の祝祭に、彼の作曲技法が冴え渡る。吹奏楽での演奏は頻繁になされるが、原曲オーケストラ版での演奏は極めて珍しい。これを聞き逃すことはできない。

ラフマニノフ 交響曲第2番

そして、ラフマニノフの交響曲第2番。この第三楽章、クラリネットによって甘く切なく歌われるメロディは、クラシック音楽の枠を超えて耳にすることが多い。彼の創作力が最も盛んな時期に書かれたこの作品は、ベートーヴェンの交響曲第5番《運命》と同じく、苦悩に始まり歓喜に終わる。苦悩に満ちた第一楽章、闘争的な第二楽章、歓喜が爆発する第四楽章。この大きな物語展開はベートーヴェンのそれを踏襲している。しかし、ラフマニノフは第三楽章で、とびきりに甘いメロディを書いた。夢見るような、甘い切ない歌を。それは紛うことなきラフマニノフの個性であり、彼の心からの思いであった。この曲を作曲している間、ラフマニノフはずっとロシア国外にいた。彼がこの曲にこめたもの、それは、ロシアの母なる偉大な大地、そしてそこに住むロシアの人々への思いであったのかもしれない。ロシアへの郷愁。

ロシア音楽の多様な魅力を堪能できるこのプログラムを、金子建志と千葉フィルがどう表現するか。非常に充実した演奏会となるであろう。

タグ: チャイコフスキー, レスピーギ, ラフマニノフ

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