ヘルマン・ベーンによる二台ピアノ版《復活》
昨年の5月の話となるが、筆者はピアニスト大井浩明氏の《復活》二台ピアノ版の公演に際してプログラムの文章を執筆したのだが、その時の筆者はちょうど引っ越し準備の真っ最中だったため、手持ちの本を参照することが出来なかった。それらはすべて段ボールの中に入ってしまったからである。そのため、この《復活》二台ピアノ版の編曲者であるヘルマン・ベーンについて十分に調べきることが出来なかったという心残りがあるのだが(この時の筆者の文章は大井氏のブログに掲載されている。インターネット上で「大井浩明 復活」のキーワードで検索すると一番最初に出てくるので、ご興味のある方はご覧頂けるようになっている)、そんなことを思いつつ引っ越しも一段落付き書架の整理が終わったところで、整理の終わった書架から何気なくマーラーに関する本を一冊取り出してページをめくったところ、真っ先に「ヘルマン・ベーン」の名前が目に飛び込んできて、ひどく拍子抜けしたのだった。ヘルマン・ベーン。マーラーの伝記の中では特に目を引く最重要人物というわけでは必ずしも無いのだが、ベーンに注目してマーラー関連の書籍を読むと、割と頻繁にその名前が出てくるということに遅ればせながら気がついたのだった。その名前はリヒャルト・シュトラウスとマーラーの手紙の中でも登場し、リヒャルト・シュトラウスと知り合いだったことも分かる。